September 15, 2005

父親についての唄

ピルグリム

このCDも、前投稿と同じ頃、やはり、社会人になったばかりの時期にリリースされた、クラプトンの作品だ。この頃のクラプトンは、確か、“Change the world”で2度目のグラミー制覇を果たし、その頃のR&B的な路線というのが、実は、私結構イケルくちでしてね。。。。

Change the worldという曲も、ベイビー・フェイスという鬼才のプロデュースでもろに、打ち込み的なというか、タイトなリズムトラックに、クラプトンの枯れたボーカルと、アコギのブルージーなギターソロというか、この辺の、機械的なものと生楽器的なもののコラボレートが心地いい時期だったと思います。

それで、このピルグリムは、クラプトンの自作曲が多く含まれていて、なおかつ、もろに、打ち込みの伴奏に、クラプトンの切実な歌声と、生ギターの響きが、上手にマッチングしているんですね。。

ただ、このアルバム、発売が確か半年ぐらい延期されて、その年の秋には、クラプトンの2年に1回の日本公演に当たっていて、、、
もちろん、Change the worldという、新たな代表曲をひき下げて来日だった事は間違いないが、このピルグリムからも数曲演奏している。。ところが、発売延期になっていたので、まだ、オーディエンスにとっては知らない曲だったわけです。。

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なので、なんだかあんまし、面白くない時間帯があったのを記憶しています。
よおく憶えているのが、確か、我がバンド、ドキドキちんぼーらー東京のギタリスト/上島(仮称)と、うちのヨメと武道館でライブを観に行き、そして、お目当てのChange the worldが、意外にも序盤の早い段階で演奏され、しかも、原曲よりも速いテンポで演奏/歌唱されたんですね。。横にいた、上島が「はやい、はやいなあ、もっとゆっくり、、ゆっくり、、、」なんて言っていたのを憶えています!!

その後、座ったままエレキ(金メッキのストラト)に持ち替え、、多分、このCDのタイトルナンバー、ピルグリムかなにかを演奏し始めた。。
その時のクラプトンは、右足でワウペダルを踏み、さらに左足でテンポを踏み鳴らしていたので、一度に、両方の足を上下させながら、唄ギターをやるという、とんでもない離れ業をしておりました!!見た目がちょっと滑稽でした(笑)

そうそう、このCDの曲が、知らないとはいえ、オーディエンスにも受けが今イチだったのは、非常に、内省的な楽曲に満ちているからであった。なんとなく、楽曲の印象的に、暗いイメージの曲が多いんですね。
それでも、このCDが発売になって、1曲目の“マイ ファーザーズ アイズ”という名曲が入っていて、とてもGOODだなあって感じました!!

この曲、完全に打ち込みのドラムサウンドに、さらにギターソロも、エレキによるソロに、ドブロのスライドによるソロが、見事にユニゾンでオーバーダビングされていて、上手い手法だなあと、非常に感心しました。
この2年後にやってくるクラプトンのライブでも、この曲はオープニングに演奏され、クラプトンのギターソロで大歓声となっていたのを憶えております!!

この曲、実は、クラプトンのお父さんの目という意味と、クラプトンの父親としての視点という、実に深い2つのテーマを盛り込んでいる、非常に内省的な唄です。。クラプトンは知られている通り、私生児として生まれています。父親は確か、カナダ兵とか。。。要するに、生まれて来た時には、父親はもうクラプトンのもとには居なかった。。
そして、“Teas in heaven”で知られている通り、自分が父親になって間もなく、子供を亡くしているわけです。。このダブルミーニングな、非常に深いテーマが、この曲をオープニングとして、さらに、6曲目のサーカスという曲でも唄われています。。

この曲は、確か、アンプラグドで収録もされた曲なのですが、アルバムではNGになったんですね。。MTVの番組プログラムでは放送されています。
ガット弦の印象的なリフに、ネイザン・イーストの高音減でのベースソロメロディが、とても切ない曲なんですね。。
この頃の曲名は、“Circus has left town”というタイトルでした。
転落事故で亡くなった、息子コナーと過ごした最後の夜が、サーカスを観に行った事だったとか。。。サーカスが街を去り、さらに息子までこの世を去って行ったという、とても哀しい物語であります。

ここいらあたり、クラプトンが父親として、自分の体験出来なかった父親との思い出と、自らが父親になってからの振る舞い、行動を、回想しているともとれるでしょう。。最後の、インサイドオブミーという曲では、クラプトンの娘さんが、詩を朗読して、エンディングとなります。

間に、何曲か、明るい曲、アップテンポな曲等も登場しますが、一貫して、この内省的な、インサイドなイメージは崩れないんですね、、、

その後の、クラプトンのアルバムでいうと、レプタイルなんかは、カバーも多めで、テーマ感という感じはないし、ロバジョンのカバーアルバム、さらに、最近出たアルバム(まだ聴いてません・・・)がどうなのは、判りませんが、結構、このピルグリムは、クラプトンの内面性がさらけ出されている、好盤と捉えてもいいのかもしれませんね。。後にもさきにも、このアルバムだけなのかも・・・


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1973年1月。千葉県鎌ヶ谷市くぬぎ山出身。
35歳。
ブルースハーピスト&ベーシスト。

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