April 16, 2008

清歌 〜saya-ka〜

清歌


このミニアルバムは、既に発売から1年が経過していて、これまで、ライブ会場でのいわゆる“手売り”のスタイルで販売してきたのですが、ここにきて、このミニアルバムをよく聴くようになりました。

先日も、とあるCDのためのレコーディングから、ミキシング&マスタリングまで手掛けて、その際にも、この清歌-saya-ka-がリファレンスのCDとして用いたし、それだけ、このミニアルバムは自分にとっての標準音源として、確固たる地位を築いているわけです。

平安隆にとっても、このCDは、初めて自宅のスタジオ(“凛音スタジオ”)のレコーディング機材をフル活用して作ったもので、さらには、愛弟子・片山恵理との初めてのコラボレーションという意味で、感慨が深いとのこと。

さらには、私古田にとっても、初めてエンジニアリングを担当、さらに我が社ブルーズマン・ジャパンにとっても、最初の作品ということで、なにもかもが、初物づくしの作品で、これからも、この作品はわれわれの心に深く染み付いていくような、そんなCDなわけです。。。。


さて、このCDの解説をライナーノート風に書いてみようというのが、ここでのエントリーであります。

私は、エンジニアーとして、そして、レーベル・プロダクションのエグゼクティブ・プロデューサーとして、さらには、2曲で、ブルースハーピストとしてクレジットされており、そんな現場の視点から、このレコードの裏話も含め、解説していきたいと思います。



販売価格 1,500円(税込)











清歌

このCDは、昨年3月より、片山恵理が毎週火曜日に出演していた、浅草橋の儀来河内(にらいかない)という沖縄料理屋で、師匠である平安隆とデュオを組み、毎月末の土曜日にライブを行うという企画のもと、そのデュオでの作品として発売されたもの。このデュオでのライブショウは、二人の手にする三線、“凛音”から由来して、“凛音唄会(りんねうたかい)”と名づけられ、3月31日(土)を初演として8月25日(土)までの、計6回を浅草橋で行われた。さらに、間を置いて、11月10日(土)には、場所を六本木島唄楽園に移して行われ、このときには、2ndミニアルバム“歌ぬ骨(ウタヌフニ)”がリリースされている。
さて、この清歌であるが、実質的に、2人が凛音唄会のためにリハーサルを始めたのが、07年3月5日からで、2週後の26日にも行われており、この両日にもProtoolsを回して録音された音源が残されている。31日の凛音唄会の初演を終え(実は、このライブの模様も全編Protoolsで録音が敢行されている)、この時点で、私も含めた3人は、次回の唄会で、ミニアルバムの発売をすべく、4月中にレコーディングを計画。

ここからが、おそろしいのだが、4月16日と23日の両日にレコーディングを終えて、そして、25日に私のハーモニカパートのオーバーダビングとミックスダウン、そして、27日にマスタリング、そして、28日に凛音唄会vol.2があり、その時点で、既に販売していたという、あまりにも急速すぎる仕事の速さがあり、どのように取り回していたのか、当事者として不思議でならない(笑)


さて、話を整理しつつ、ここからは、ライナーノーツらしく、アーティストの紹介を。。。。


平安隆については、いわずもがな。。。
ここ数年は、沖縄音楽の伝播について、ここ東京に根をつけ、ライブ活動はもちろん、“なんくる教室”での弟子の育成、さらには、自らがデザイン&プロデュースする三線・“凛音(りんね)”のプロモーション活動も含め、幅広い視野から音楽普及を試みている。今年は、デビュー40周年を迎えるが、絶え間ない音楽発信を続ける、偉大な音楽家である。。。

片山恵理については、少し話をしておこう。。。
沖縄音楽界においては、まだまだ新米であることは事実であるが、実は、彼女も、この音楽業界を長年渡り歩いてきたベテラン(!?)ミュージシャンだ。。。遡ること前世紀に、B-Wishなるボーカルユニットでメジャーデビュー。。。その後も、谷村新司のバックグラウンドヴォーカルとして、全国のライブツアー、紅白歌合戦にも出演、さらには、クレジットのない、大手企業のCMでのBGMにも彼女の歌声が鳴り響いている。。。

そんな彼女が、心底惚れ込んでいったのが、21世紀になって出会った沖縄民謡と三線だ。そして、平安の稽古の門を叩き、民謡歌手として再出発を果たす。。。

思えば、私が初めて、彼女のライブを目にしたとき、師匠よりも泥臭く、民謡を歌い、三線の手さばきも、師匠のコピーの如く、勇敢で、男らしい(?!)プレイスタイルを確立しており、いつの日か、師匠と合流するはずだと信じて止まなかったのも事実。

そんな片山の平安譲りの三線プレイに、平安独自のギタープレイ、そして、2人の男女コンビ唄という、濃厚な沖縄音楽を、このCDには余すことなく収録できた。それが、最大の誇りだといえよう。。。。


【全曲紹介】

サーサー節

トラッドな民謡でありながら、その切ないメロディラインから、誰かがここ最近作ったウチナーポップだと思っていたが、純然たる沖縄民謡である。平安も片山も、この音源以前からレパートリーとしてライブで披露していたが、ここでは、片山のリードボーカルをフロントに押し出し、平安は爪弾きの三線(BEAの三下がり)、ギター2丁(レギュラーとウチナースラックキーギター)、そして、このレコーディングから使い始めた月琴を順番にオーバーダビング。インストゥルメンタリストに徹している。

一方の弟子・片山は、自らの専門とする、ボーカルとコーラスワークを幾重にも重ね、結果的に、20チャンネル弱のトラックが鳴り響く、ビッグトラックとなった。。。。

平安のギターのコードワークが、片山のボーカルを聴き届けてから、アルペジオに入るところが心地よく、凛音唄会のハイライトの曲であり続けている。。。。


スンガー節


私が、この曲を初めて聴いたのは、奄美民謡うたしゃの中野律紀(RIKKY)だったと思う。その後、永良部ゆりの花 なる、倍テンの曲とつながるのが常套句だが、ここでは、この曲をじっくりとアレンジメントして、単体で聴かせている。。。。

この曲で初めて、平安のボーカルが聴ける。。。
(平安のレコーディング最初のカウントコールがいいと思い、そこからトラックが始まる)

片山の泥臭いボーカルがワンコーラス。。
その後、意外にクールな印象の、平安の歌声がダンディに鳴り響く。

そして、遠くで鳴っているスライドギターがとまりんから沖のほうまで行ってしまった、船の汽笛のような音。


Scarborough Fair


このCDを最初に販売すべく、2回目の凛音唄会で発表するためにリハーサルでアレンジを2人で煮詰めながら、録音していき、そのまま収録になった奇跡的な音源。
前編でズラズラ書いたが、この音源が収録されたのが、07年4月23日(月)。

そして、ミックスが25日(水)、マスタリングが、27日(金)、そして、翌日の凛音唄会ではやくも発売された。。。。

録音から発売まで1週間をかからず、奇跡的なトラックである。。。


片山のアイリッシュ・バックボーンに、平安が面白がってギターをダビング。。そして、二人のユニゾンのボーカル、片山の綿密に練られたコーラスワークを収録した後、Protoolsのデータを持ち帰った、わたくし、古田が、3rdポジションによるブルーズハープを、間奏とエンディングにダビング、直後にミックスを敢行し、その後池袋カチャーシーに出演していた、平安&片山に、音のチェックをしてもらった、早急に仕上げられて、完成した作品。

片山の三線は、BEBの本調子ながらも、キーは、ウージル&ミージルの人差し指、乙&五のC#から始まる、マイナーチューン。。。。

私のハープも、3rdポジション、ハープ=B、キー=C#m


3人のライブでは、最もリクエストと人気が高い、ビッグナンバーとなった。。。。


片山のディレクションにより、平安に「童貞のような歌声で・・・」とリクエストし、平安の少年のようなボーカルが収録されるに至る。。。




白雲節



ご存知、沖縄ミュージック界の怪物、嘉手苅林昌が、大城美佐子を擁してお馴染みの男女の恋歌を、21世紀の師弟コンビがどこまでせまることができるか?!

意外にも、2本聴こえる三線は、片山が、自らの凛音と師匠の凛音をオーバーダビング。あたかも、師匠との連弾に聴こえるところが、このトラックのマジック。。。。

片山がボーカルを録音した後、私が、「師匠は、ボーカルだけですか?」

そう訊ねたのを記憶している。。。。

その後、吟遊詩人“Johnny”として、このアルバム2回目の月琴をオーバーダブすることになり、平安は、やはり、インストゥルメンタリストとして残ることになった。。。。

もしも、この月琴がダビングされなければ、おそらく、平安の長いミュージシャン人生の中で、初めて、ボーカルだけの音源になるかもしれなかった。。。。そんな曰くつきの音源。



ちむどんどん


アルバムのラストは、初回の凛音唄会で収録された音源から。
この曲の、師匠のハイテンションと、歌詞を忘れていて、しかも、そのことを自覚しながら、曲を進めていく師匠と、それを、忠実に再現と埋め合わせ作業に徹していく弟子との、見事なライブ音源に感動して、私の独断で収録するに至った、究極のライブ音源。

私も、このライブ中、ハープをプレイするも、自らが独断でフェーダーを下げたため、全く、聴こえていないハープを、新たにオーバーダビングして仕上げた、ボーナストラック。

平安のギターカッティングは、クールに鳴り響いていて、弾き語りをしているとは思えないプレシジョンな演奏だ。

片山の三線も、師匠のオリジナルに忠実で、心地よい。
終盤は、平安のハイテンション&歌詞忘れも、片山が見事にバトンタッチ&フォローに回っていて、この師弟関係の頑強な音楽リレーションを強く知らしめることになった。。。。





その後、二人は、北陸&関西へのツアーを2回、昨年は、このデュオワークを徹底的に完成させる仕事に費やす。。。。

最近では、この2人のライブワークは、それぞれの仕事の都合もあり、なかなか実現していないのが現状ではあるが、この春から夏にかけては、再び再結成の動きもあるようで、私も、そこに参画していくことになるはず。。。


三味線屋の私としては、この二人には、三線・三味線界の3大師弟&男女デュオとしての足跡を期待しているところ。。。

津軽の 高橋竹山&竹与

沖縄の 嘉手苅林昌&大城美佐子


そして、東京の 平安隆&片山恵理


まだまだ、続くはず。。。。


文筆  古田将幸@BJ











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1. 清歌 ??saya-ka??  [ ブルーズマン・ジャパン!の音楽商店街 ]   April 20, 2008 23:31
販売価格: 1,500円(税込) 0 1 このCDは、昨年3月より、片山恵理が毎週火曜日に出演していた、浅草橋の儀来河内(にらいかない)という沖縄料理屋で、師匠である平安隆とデュオを組 み、毎月末の土

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Profile
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本名・古田将幸(ふるた まさゆき)
1973年1月。千葉県松戸市出身。
35歳。
ブルースハーピスト&ベーシスト。

三線と三味線も少々やりますが、専ら販売に従事しております。。。

(株)ブルーズマン・ジャパン代表取締役。
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